ウシュアイア

白い巨塔のウシュアイアのレビュー・感想・評価

白い巨塔(1978年製作のドラマ)
4.5
田宮二郎版『白い巨塔』。
唐沢版、田宮版、韓国版も全部観たし、原作小説も読破。
田宮版が一番原作の時代と近く、原作に近い。

後半は裁判の話と並行して原作通り日本学術会議会員選挙のエピソードが盛り込まれており、ストーリー的にはかなり冗長なので、若干退屈する。

一方で出演している俳優はザ昭和の名優で、唐沢版よりも抑制的だけどリアリティのある人物造形がなされている。唐沢版の里見修二はなんだかヒューマニズムに酔いしれて暑苦しさを覚えたが、山本學さんの演じた里見修二は根っからの人道主義者という印象で、財前五郎をも包み込むほどのように思えた。また、大河内教授も、唐沢版では無機質で何を考えているのか分からない人物だったが、加藤嘉さんが演じた大河内教授は「人格者」という原作のイメージ通りだった。そして小沢栄太郎さんの鵜飼医学部長のタヌキっぷりも今の俳優には出せないものを感じた。
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