『僕は夢を持っちゃいけないんだ!どうせ、病気が邪魔をするから…』 最愛の息子に、こう聞かれたら、あなたは何と答えますか?川井恵介君の8年間。―それは、この疑問との闘いでした。15歳で脳腫瘍を発病し、23歳の若さでこの世を去った恵介君。人生で最もキラキラ輝いた希望に満ちた青春の時、友達は「夢」を語り、将来に胸をときめかせているのに、彼は常に「死」と向かい合い、周りから取り残されていくのです。まるで、夢を持つたびに「病魔」がそれを邪魔するように・・・。彼は自問します。 「僕には夢を持つことも、将来を考えることも許されないの?」やがて、その思いは行き場を失い、一番近くで彼を支え続けた母親へと向けられるのです。治療をあきらめ、暴力までふるうようになる恵介君。「僕は、大学に行くことも、将来何になりたいか考えることも許されないんでしょ?どうせ、僕はもうすぐ死ぬんだ!僕は、何の為に生まれて来たの?」母親は言葉を失います。親として無力を嘆き、共に死ぬことさえ考えます。 しかし、彼女は決して諦めませんでした。「何で生まれてきたかは、自分自身で決めることなの!」恵介君は、母親のその言葉で、自らが生まれてきた意味を考えます。恵介君が、死の直前に、出した答えとは!?