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明蘭~才媛の春~のSのレビュー・感想・評価

明蘭~才媛の春~(2017年製作のドラマ)
4.9

長いようであっという間に終わってしまった全73話。久しぶりに寝る間も惜しんで寄り道することなく魅入ってしまいました。とっても面白かったです。配音でありませんようにと願いながら観始めた本作でしたが、評判通りの完成度に感服致しました。
家を舞台に繰り広げられる女たちの頭脳戦。女の戦いってやっぱりどろっどろ。
悪役たちにはものすごくイライラさせらましたがそれだけ演者さんたちが素晴らしかったということですね。特に朱曼娘。秦氏と林噙霜、康夫人も。思い出すだけでも腹が立つ。笑 墨蘭もお顔はとても綺麗なのにもっとお淑やかに慎ましくしていてくださいよ… いつもなら悪行バレたら即斬首なのに、家庭内の問題や事件のせいで体面どうの殺せないこうので悪役たちが死なない死なない。延々と生き続けるものだからどう転ぶか最後までハラハラドキドキでした。早く殺せよなんて物騒なことを何度思ったことか。と、そんな邪心を明蘭に優しい心を向けてくれる人たちで浄化しておりました。盛夫人、小桃、斉衡、、。ありがとう。こうしてみると、盛華蘭や盛如蘭、盛長伯、丹橘と盛家の多くは明蘭の味方だったんだと気づいて嬉しくもなるわけです。


⊰ 以下ネタバレ ⊱






衛氏が「生きることがー 何よりも大事よ」と明蘭に残すシーン(ep.3)や盛夫人が「悪いのは私よ 責めておくれ」と明蘭を抱きしめるシーン(ep.33)、書蓉が「母上」と明蘭を呼び止めるシーン(ep.73)、涙涙の胸打つ場面が本当に多いこと。悲しくもあり苦しくもあり、しかしそこにあるのは親の愛、そしてそれを一心に受け、与えた明蘭だからこそ子の愛も生まれる。
明蘭を育てた二人が頬を打つ、明蘭も子の頬を打つ時が来るのかなと思ったり。
明蘭の守りたかったもの、つまりはこのドラマのメッセージは最後の台詞に込められていたように感じました。

 これが暮らしなんだわ
 私は平凡な暮らしが好きよ
 何も起こらないほうがいい
 安心しろ
 私が守っていれば
 天が崩れても
 心静かに食事ができる
 いいから食事よ

一家団欒。家族で食卓を囲み談笑しながら美味しいご飯を食べる。本作、食事シーンや食べ物に触れるシーンが多くあった。しかもしっかり食べる。たくさん食べる。笑 お腹が満たされれば心も満たされる。そこに愛する人たちがいてくれたら尚のこと。これこそが幸せ。明蘭が願っていたのはそんな平凡な暮らし。でもこれが意外と難しい。ご飯を食べることも愛する人たちと共にすることも願えば叶うそんな簡単なことではない。
多くの試練を乗り越えて手にした幸せをどうか永遠に。と、願うばかり。

☾ 4 字幕 0128 ☽
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