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アメリカン・ホラー・ストーリー:黙示録のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.7
“共同体”という謎の組織により核戦争が勃発。世界中が核兵器により崩壊しているとニュースが流れ、街中がパニック状態に陥ってしまう。美容院にいた億万長者の娘、ココ(レスリー・グロスマン)は父親から手配した避難所へ逃げるよう連絡を受け、アシスタントのマロリー(ビリー・ロード)、美容師のミスター・ギャラント(エヴァン・ピーターズ)、そして彼の祖母を連れ自家用ジェットに乗り込む。辿り着いたのは共同体が建てた避難所のうちのひとつ、第3基地。そこは、組織に選ばれた“優秀な遺伝子を持つ者”と大金を支払った者のみが入ることを許された特別な場所だった。
第3基地を支配するのは二人の女性、ミス・ヴェナブル(サラ・ポールソン)とミス・ミード(キャシー・ベイツ)。集められた生存者は、彼女たちが作った奇妙なルールの下で管理されることになる。エリートの「パープル」と使用人の「グレー」で着衣を色分けされ、外出や性行為などは全面禁止。そして、それらのルールを破ると厳しい罰が待ち受けていた。安全に思われたこの基地は、彼女たちが暴力と恐怖で統率する恐ろしい場所だったのだ…。
シリーズ第1弾「呪いの館」でヴィヴィアンとテイト(エヴァン・ピーターズ)の間に産まれた男の子、マイケル・ラングドン(コーディー・ファーン)が本作で核戦争を起こした“共同体”という組織の代表者として登場。シーズンが進むと、組織が建てた避難所“第3基地”が、元々は男性魔術師の学校オーソン魔術学校であったことが明らかになる。マイケルも実はここの生徒だったのだ。彼の魔力は誰もが認めるほど強く、在学中から最強の魔法使い”アルファ”なのではないかと考えられていた。当時より魔術師と魔女の間には派閥があり、最強の魔力を持つマイケルが現れたことは、魔術師たちにとって嬉しいニュースであった。ここで、シリーズ第3弾の「魔女団」が絡んでくる…。 マイケルの存在に、最強の魔女と呼ばれているコーデリア・フォックス(サラ・ポールソン)は黙っていられなかった。彼女は2人の魔女、マートル・スノー(フランセス・コンロイ)とマディソン・モンゴメリー(エマ・ロバーツ)を連れ、マイケルがいるオーソン魔術学校を訪れる。マイケルと対面した時に青白い悪魔の顔を幻視したコーデリアは、シリーズ第1作「呪いの館」で登場した館にマディソンとオーソン魔術学校の魔術師を派遣してマイケル・ラングドンの呪われた出生の秘密を知る。マイケル・ラングドンは、サタンの子として悪魔崇拝者と世界を滅亡させようとする。マイケルの計画を知ったコーデリアたちは、悪魔崇拝者を焼き殺す。絶望したマイケルは、世界の指導者たちが世界を支配する「共同体」こと秘密結社イルミナティと繋がりを持つロボット企業と知り合い、「共同体」が悪魔崇拝者の結社で世界滅亡を企んでいることを知り、世界滅亡を実行しようとする。コーデリアは、魔女学校の新入生マロリーに「時間を行き来する力」があることを知り、マイケル・ラングドンの世界滅亡計画を妨害するため、ある秘策を実行する。
「アメリカン・ホラー・ストーリー」シーズン8は、シーズン1「呪いの館」とシーズン3「魔女団」とシーズン5「ホテル」のクロスオーバー作で続編。
核戦争後の世界を舞台に、コーデリアたち魔女団と悪魔の子マイケル・ラングドンの壮絶な戦いを繰り広げるストーリーを軸に、シーズン1「呪いの館」とシーズン3「魔女団」とシーズン5「ホテル」の後日談を含めたサイドストーリーを展開していく展開は、「アメリカン・ホラー・ストーリー」を追い続けたファンにとってグイッと惹き込まれる語り口で、魔女団と人類の未来のために魔女としての力と寿命をマロリーに賭ける最終回の展開はアメリカン・ホラー・ストーリー史上最も感動的な展開。
一見めでたしめでたしと思わせて背筋が凍るオチも含めて、アメリカン・ホラー・ストーリーのファンサービス的なシーズン。
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