肉鹿

今ここにある危機とぼくの好感度についての肉鹿のレビュー・感想・評価

4.0
テレビ局のアナウンサーから名門大学へ中途採用された男性広報の姿を通じて、現代社会が抱える矛盾と人々が抱える悲哀に迫るブラックコメディ———渡辺あや脚本作品。

とても品のいい風刺ドラマ。ちゃんとお勉強してる人が作った感強くて展開にも人物にも無理がないのが好き🥰

あくまで大学内の話にしてるけど、明らかに大学飛び越えて社会全体の話として考えさせようとしてるのがわかりやすくてすこし煩わしいけど、右往左往する登場人物たちの姿に身近な人を重ねたりニュースで責任を追及される人を思い出したりしながら見れるのが楽しい😆実際にドラマの放送2日後に「会見とは意味あることを言わないのが最大のリスクマネジメント」を踏襲してしまった会見を首相がしてしまった記事を見つけてびっくりした!そんなの首相がドラマに太鼓判押してしまったようなもの😂

キャスティングもハマり役多めでもう虜です🤤
物事をシンプルにしか考えれない主人公を松坂桃李さんが好演!なにも考えてない役のうまさは東出昌大さんと双璧をなすと思う👏
さらに大学総長役の松重豊さんもお似合い!これは学長や理事長じゃなくて総長だからすごいしっくりくる。顔に怖さあるから強そうな総長役がぴったり😂
あとハライチ岩井が現代の魔法使いみたいになってるのも初見は笑えるから必見!

難しい言葉は多めだけどあくまで明るくコミカルに進んでいくからとても見やすく、恋愛要素もそこまで無理なくねじ込んでて好印象。
深く考えすぎて悩む研究員が惹かれてしまうのがシンプルな考えの人は説得力ある。あるある。
そして主人公がちょっとだけ成長するきっかけが愛なのもとても好き!愛強い!

現在の日本人の価値観に刺さりやすいようにかなり計算して作られた感は強いから、価値観が塗り変わらないうちに早めに見るのがおすすめ。30年後に見たらこんな時代もあったねって懐かしくなれるドラマになってて欲しい。
肉鹿

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