６人の男女が、それぞれの野心と思惑を胸にポルノ映画を撮影するためテキサスの農場を訪れるが、撮影場所として離れを提供した老夫婦はどことなく様子がおかしくて…。
そこらの民家でイッパツ撮りしていっちょアガリな低予算ポルノ撮影隊が、お堅いハリウッドじゃあ撮れないパイオツもろだしで大金持ちになるぜと、離れでパコってるところを家主の猟奇老夫婦に殺されていく。製作A24の新作は、そんなおはなし。
ミア・ゴスが若者とババアの一人二役。ババアの垂れ乳メイクは不気味さマックス。若いファッションは、フーファイターズを彷彿とさせる裸オーバーオールで横乳に釘付けに。ナイスです。マーベラス。
年寄りとか舐めたヒッピー崩れみたいな奴らの集まりなのかと思いきや、そういうのはいけすかないプロデューサーだけで、６人それぞれキャラクターの性質が違うから、死に様のバリエーションにもしっかりと感情が乗っかる。良質ホラーだ。
特に、黒人のお兄さん。ただのヤリチン男優かと思いきや、いい人だったな。退役軍人のよしみで、奥さんを見つけるの手伝うぜって、男らしい言葉をかける。ビッチなブロンド娘も、おばあちゃんダメよこんな寒いところにいたら！って、本心で心配して駆け寄るのが好印象。若者ってもの捨てたもんじゃないっすよ。
でも、若い映画監督のメンヘラはみてらんなかったな。運命の人。特別な女。そんなもんない。男の嫉妬はみっともない。わかっちゃいるんすけどね。その彼女のほうも、急にらしくないこと言い出して、これがいっぺん言い出したら曲がらないもんだから、たいがい面倒くさいなと…。
この子が地下室に閉じ込められたあと、超怖くて痛い思いをして、せっかく助けてもらったのにヒスっちゃう場面は、このキャラクターのリアクションとして納得度合いが高い。ああいう女子って、ホントにあんな感じで周り気にせずぷりぷり怒るもんな。ズドォン！お似合いのカップルでした。
ドラマのウェンズデー役で、一躍スター女優なジェナ・オルテガちゃんの安物ホラーへのチョイ役出演の安売り時代ってことで、後年は別種の価値も出てくると思われます。
男女関係だと、心臓弱いジジイに共感を見いだしてしまっていた。悪者なのにね。不思議。僕自身が、好きな女のワガママは意外となんでも聞いちゃうタイプなので、『Perl パール』の結末のあとこういうことになったという事実にドン引きしつつも、ホレた弱みで加担してしまう気持ちがわかってしまう。
男がいくつになっても男であるように、女だっていくつになっても女なのよ。そうですか。そうでしょうとも。よくわかりました。
にしても、男性陣は露出が多くて、興奮状態じゃないのにご立派なもんぶらんぶらんさせてるもんだから、冬の寒さでちぢこまらせながら悲しくなってしまった。外人さんって、みなさんあんないいものお持ちなの？どっか使い道ないの余ってたら取っ替えてくんねーかな。
