風来坊

ALIVEHOON アライブフーンの風来坊のレビュー・感想・評価

ALIVEHOON アライブフーン(2022年製作の映画)
3.5
こちらはドリフトレースで種類は違いますがゲーマーが実際のレースに参加するというお話の映画化は日本版の「グランツーリスモ」と言っても良いような設定。
製作年はこちらの方が早いので、テーマはこちらが先取りですね。

ドリキンの愛称で有名な土屋圭市さんが監修しているので、ドリフトレースの迫力は良く出ていて手に汗握ります。ペダルワークや忙しいソフト操作やドリフト走行のタイヤの摩耗で出る煙の臭いが伝わって来るような演出など細かい部分の表現にこだわりを感じますね。土屋さんも本人役で出演で意外に演技が様になっていました。

レースシーンの迫力は申し分ないですし、希望と挫折と栄光というベタですけど熱いストーリーも良い。
ゲームとレースの腕はスゴイが内向的な主人公の成長も熱い。しかし、ちょっと都合が良すぎな展開は気になるところ…。もう少しゲームと現実のレースは違うぞ甘いもんじゃないを見せてもいいのかも知れません。

まだドリフトレースがそこまでメジャーじゃないというリアルを表現したと思いますが、観客は少ないレースクィーンは数人だけというなんか熱量というか華やかな盛り上がりに欠ける雰囲気で現実に戻るような醒めを感じる。
そこは嘘でもちょっと盛っても良かったかなと、予算が少ない邦画の悪いところが出たのだろうか?

若々しいキャストは青春というか夢に向かう若者の甘酸っぱさは出ていたけど、主演の野村周平さんも含めてちょっと演技が安定しないような…。吉川愛さんは可愛いけれどちょっと演技が気になりました…。
そういうところもあってか陣内孝則さんやモロ師岡さんなどベテラン陣を配役で脇を締めていました。土屋アンナさんはイヤな女性役がホントに似合う(笑)

決して悪くはなく邦画の頑張りも感じるのですが、予算などの関係上かスポーツドラマとしてもう一歩突き抜けた物が欲しかったなぁと思う惜しい作品でした。
風来坊

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