垂直落下式サミング

ブルービートルの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ブルービートル(2023年製作の映画)
3.0
大学を卒業したばかりのあんちゃんが、将来への希望を胸に故郷へ戻るのだが、なかなか思うような職が得られない。妹だかに紹介されたショボいバイトを頑張っていたら、異星人兵器スカラベに寄生され、スーパーヒーロー「ブルービートル」として覚醒。スーパーパワーを得た青年の戦いと成長を描く。DCコミックヒーローのアクション作品。
ソファに座ったおばあちゃんがテレビのチャンネルを変えると一瞬だけ、ギレルモ・デル・トロ監督の初期作品『クロノス』のワンシーンが写される。主人公がスカラベに手のひらをザックリいかれて寄生されるシーンは、ここのオマージュになっていると思われる。顔にも張り付くから、もしかしたら、それのさらに元ネタと思われるジョジョの石仮面か、ベタにエイリアンでも意識したのかしら?
こっから仕切り直していくDCユニバースらしいが、アイアンマンのコンパチみたいな見た目はどうなの?創造性がない。せっかく顔ぜんぶ隠してて日本人好みなのに、仮面の目の部分が動いて表情をつけちゃうのはナンセンス。感情はこっちが読み取りたい。
それに、スカラベと言えばエジプトの神様の使いでっしゃろ。それを、しれっとラテンアメリカのモノっすけどみたいな面で出されんのが嫌。フンコロガシを神聖なものとする文化は、古代エジプトのもんじゃい。僕はエジプトびいきなので、違う文化圏のやつに手柄を横取りされたような気がして悔しい。紀元前エジプト王朝の匂いを感じさせてくれや。もっと腕にシルバー巻くとかさ。