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大いなる自由のTOTのレビュー・感想・評価

大いなる自由(2021年製作の映画)
4.0
ドイツ刑法175条、3つの年。
同性愛が違法だった時代に、刑務所が唯一の生きる場所だった同性愛者と異性愛者の幾たびの回合、幾つかの愛。
檻が奪い、檻に包まれてもいたエロスと自由。
暗闇は異なる年を繋ぎ、マッチとタバコの絆が常にあり、光は変化を告げる。
絶望なのか愛の確信なのか。
異なる解釈を含ませたラストの余韻が無音のエンドロールを揺らす。

脆弱、抵抗、諦念、優しさ、時代ごとに表情だけでなく身体的変化も見せるフランツ・ロゴフスキの寡黙かつ雄弁な演技がすごい。
彼と幾つもの時間を共有することになるゲオルク・フリードリヒも超かっこいい。
二人の関係変化たまらなかったな。
タトゥー描写、セックスよりセクシーだった。

思春期によく見たゲイ映画の雰囲気を思い出した。
クルージング描写でなんか泣きたくなったよ。

いやぁ、良かったな〜。
劇場公開されるといいのに。
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