作劇と映像はやはり素晴らしい。
そして、家族の物語として楽しんだ。
偉大な監督の繊細な家族の物語。
ただとりたててエキセントリックでもなく、どの家族にもあり得る話にも思えた。
少年が映画撮影に虜になる模様や「夢と家族で引き裂かれる」真実を荒々しく語ったあのおじさんの演技を楽しむには楽しめたけれど、今ひとつ感慨を生むまでには至らなかった。
巨匠ジョンフォード役の鬼才デヴィッドリンチの配役の妙や至言にはニヤニヤしてしまうけれど
映画のロマンには行き届かない。
やはりこの作品は
スピルバーグの両親へのプレゼントであり
彼ほどの世界的監督だからこそ許される
贅沢なプライベートフィルムだった。