ヒノモト

NOCEBO/ノセボのヒノモトのレビュー・感想・評価

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
3.6
『ビバリウム』のロルカン・フィネガン監督最新作。
ファッションデザイナーのクリスティーンが仕事中にダニに寄生された犬の幻影に襲われ、その後記憶障害や幻覚などを引き起こす状態が続いている。彼女の前にダイアナと名乗るフィリピン人の乳母が現れ、住み込みで働く中で、民間療法を用いてクリスティーンの治療を行っていく、その後の顛末を描くお話。

前作『ビバリウム』と比べて、前半から情報を見せていくし、民間療法だと思わせて実は‥みたいな裏切りも、フィリピンの過去回想も挟みつつ、しっかり映像で見せることで、真相に近づいていく流れも含めて、観る側への導きは分かり易く、観やすい作品だと思いました。

ただ終盤は、復讐の側面とある伝承を同時に完遂するためのラストまでの流れ、復讐が強すぎて、伝承はあれでよかったのか、少し消化しきれないものがありました。

フィリピンのローケーションがとても良かったので、ダイアナの過去の描写の影の部分をもう少し増やしていたら、伝承していく部分が強く印象に残る終わり方になっていたように感じました。
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