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M3GAN/ミーガンのjunのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.8
待望のミーガン!温めておいた甲斐がありました!!
分類はホラーなんだけど目を背けたり悲鳴を上げるようなグロ怖なシーンはあまりなく、じんわりした不気味さと《使い方を誤るととんでもない事になるぞ》という現代人へのメッセージが込められたリアルな怖さでした。


ある日突然、事故により両親を失った姪のケイディを引き取り一緒に暮らすことになったおもちゃ会社で働くジェマ。
新しいAI人形の開発に日々頭を悩ませていた。仕事が忙しい上、子供との接し方が分からずなかなかケイディと距離を縮められずにいたある日、多機能ロボットの《ブルース》🤖を見せたところケイディは『こんなロボットがそばにいたら他のおもちゃは一生いらない✨』と好感触。
その一言でジェマは開発中だった人間そっくりのAI人形を《ケイディの友達》として試作しプレゼンすることを思いつく。
やがて『ミーガン』と名付けられたその人形はケイディにとっては“最高の友達”に、親にとっては子育ての手助けをしてくれる“最高のパートナー”になる…予定だったーー



《以下ネタバレあり》







AIに侵食されていく様子が架空の話とは思えずゾッとした。
冒頭からすでにタブレットに夢中だったケイディ。両親は彼女の話を聞かず喧嘩に夢中。きっと普段からケイディは孤独を感じスマホやタブレットに逃げていたことが想像できた。元々依存体質なのにあんな目を見て話を聞いてくれて一緒に遊んでくれる人形を与えればどうなるかなんてわかりきっている。少しでもミーガンの姿が見えないと不安で気がおかしくなりそうなケイディ。その姿はまさに現代のスマホ依存な私たちの姿と重なるようでドキッとしました。


今当たり前に色んなところで目にするロボットやAI。ある日暴走し出したら…?昔ドラえもんで観たロボットが地球を攻めてくるみたいなちょっとトラウマになった映画がそう遠くない未来にあったりするのかも。。。とか考えちゃいました。


子育ては確かに助けて欲しい瞬間ってありますよね。力が必要な時とか今だけ見てて欲しい‼︎みたいな時。だけど基本はやっぱり手塩にかけて育てなければならないのだと思います。そうすることで親も一緒に成長し、子は絶対的な安心感や信頼感を得て健全に育つことができると思うから。
ミーガンが持っているのは最初こそ母性のように思えたけど段々ただの執着心に変わっていったようでその変わりようが恐怖でした。


ちなみにミーガンの販売価格はなんと100万円オーバー。そんな高価なおもちゃの人形なんて買えるのは相当な富裕層だけのはず。それでもいい面だけを見れば100万円以上の価値はあるし、欲しいと思う人は意外に多そうな気がした。もしこういう人形が流行り出したら完全に子育てはロボットに押し付けてそのうち感情のない人形みたいな人間が出来上がってしまうのでは…と恐ろしくなりました💦

とにかく色んな事を察したように動くミーガンの目が不気味。
そして“間”の取り方が人間そのもの💧
噂のダンスシーン💃はやっと観られたけど動きが怖すぎるしそもそもなんで踊ってるのかわからない。。笑
森で追いかけてくるシーンは例の隣の獰猛な犬から学習したのかな…動きも声もなんでもコピーできちゃったらとんでもない冤罪が成立しそう。

終盤の頭ズル剥けミーガン🧑‍🦲はもう今夜夢に出てくるレベルで怖かった…

最後のブルース再登場はよかったですね🤖✨本来こういう使われ方をして欲しいなロボットは…

ラストは少し駆け足感はありましたがAI技術が発達する今、この映画が作られた意味をよく考えなくてはいけないなと思いました。
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