ごー

658km、陽子の旅のごーのレビュー・感想・評価

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
-
監督、出演者公開記念舞台挨拶の回を鑑賞。

上海国際映画祭で女優賞、脚本賞、作品賞の三冠を獲得。
ユーロスペースで散々予告を観ていたし、東北縦断のロードムービーという事で前々から観ると決めていた作品。

家族に反対されたまま実家を出て、東京で引き篭もりのような生活をしていた陽子。父の葬儀に参列するために従兄弟の車で実家の弘前に向かうも、思わぬアクシデントでヒッチハイクをする羽目になる。現金もほとんどなく、携帯も直前に壊してしまっている。
コミュ障であるため始めはうまくいかないが、自身を奮い立たせ、乗せてくれる人を探し、拙い言葉でお礼を述べ、北へ向かう。

自宅でイカ墨パスタをもぐもぐ食べるシーンが印象的。それと顔ハメパネル、可笑しかった。
従兄弟のお兄ちゃん、携帯を持っていない同乗者を置いて行ってはいけないだろ、、、。
浜辺で寝てしまい、海に濡れてしまうが、あの天候ではなかなか乾かなくてずっと冷たかったんじゃないか、ずっと潮くさかったんじゃないかと思ってしまった。
車のナンバーや道の駅、SAの名前などから現在地を推測できるが、一夜を明かした時点でもう間に合いそうにない、、、。
予算が豊富でなく、スケジュールに余裕は無かったが、終盤は脚本通りの天候になったとのこと。そのシーンがすごく良かった。

全体的に彩度が低く、同じ熊切監督の「海炭市叙景」やアニメだけど「イノセンス」のよう。初冬の東北の、特に沿岸部の雰囲気が良く出ていたと思う。

舞台挨拶では主演の菊地凛子さんが感極まって涙しており、この作品に対する想いが伝わってきた。
菊地さんは前にイタリア映画祭で拝見していたが、オダギリジョーを初めて生で見れた。思った通りの掴みどころのない感じで良かった。
ごー

ごー