垂直落下式サミング

劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
4.0
アーニャが変顔でうろたえる場面は、可愛くて滑稽ってよりも、こんなつまらないことで子供に気を遣わせてるヨルロイのダメさ至らなさのほうを、ビンビンと感じ取つてしまった。
テレビシリーズがはじまったときは、洋式テーブルを見上げるアーニャとおなじ目線でみていたのに、いつしか父親目線だった。特に真人間になったわけじゃないと思うんだけど。僕の脳と身体は、だいぶオトナのモードに切り替わっちゃったらしい。
二十代後半からは、努めて真剣に努力してちゃらんぽらんやってないと、自然とオトナになっちゃうもんだと先輩が言ってたけど、ホントだったんだ。
もうひとつ言ってたっけ。どんなバカもわりかしすんなりオトナにはなれるけれど、父親ってものはホントに必死に頑張らないとなれないんだってさ。
客車でおしっこ行くって言ったら絶対ついてかなきゃだし、楽しそうにしてるんだから学校の成績なんか一先ず後回しでいいじゃん。足並みあわせて融通きかせるのは、どんなお仕事よりも過酷なんですって。奥さんのご機嫌とりもやんなきゃで。家族生活はミッションインポッシブル。
とかく、ほんとアーニャかわいかったな。劇場も子供連れ多くて、いろんなところからコロコロした笑い声が聞こえてくるから、子供欲しくなっちゃった。
おかしいな、こんなに子供好きだったっけ?最近、町でよちよち歩いてたりすると目で追っちゃう。自分のなかに父性なんかあるわけないと思ってたのに。