タカ

極道統一のタカのレビュー・感想・評価

極道統一(2022年製作の映画)
3.9
「知りすぎると深みにハマる」

頭領が変わると時代が変わる
絶妙なパワーバランスで成り立っていたものがバラバラと崩れる過渡期
かつて盃を交わした5人の男たちも渦巻く思惑に飲まれ一人一人と倒れる
権力と金
構図を俯瞰して移りゆくのは裏から表
黒幕の鼻を折るには公こそふさわしい

カンフー、カー、ガン
アクションの詰め合わせ❗️
爆発も惜しみなく出して、古き良き香港映画の匂いを感じる
アンダーカヴァー物でもあるので、人物相関のややこしさがあるが、アクション見せ場が定期的にやってくるので流れに身を任せておけばOK
ただキレッキレという感じではないので、多少満足感は薄まる

ドラマ部分に関しては仲間が倒れるたびにスローモーションになり、悲しげなメローな歌謡曲が流れるのだが
さっきまでうろたえていた人物が次の場面ではカラッとしていて淡々と進んでいく違和感がある
感情移入できる隙はないんだなぁ、それなら情緒的なシーンいらないよなぁ
とそのままラストまでいくと思いきや急転直下の展開になっていき一気に社会派の面が見えてくる

鑑賞後、劇中+エンドロールで流れた歌謡曲が印象的だったので調べるとどうやらこの曲
『男たちの挽歌』のテーマ曲『當年情』という曲らしい
なるほど❗️そういうことか❗️
意図が完璧に分かった
時代設定と重ねてオマージュをしたかったんだな
スローモーションなんて完全にジョン・ウーの受け売り
サモ・ハン・キンポーも出てるし
香港アクションへのリスペクトオマージュを前面に出していたんだなぁ
前半にオマージュを詰め込んだから、やたら淡白に見えたんだと思う
オリジナリティは後半のツイスト部分
そう思うとなかなか凝った素敵な映画だと感じる

『男たちの挽歌』観ないとなぁ
曲がヘビロテで頭の中に流れる
タカ

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