ヒノモト

凪の憂鬱のヒノモトのレビュー・感想・評価

凪の憂鬱(2022年製作の映画)
3.9
現在開催中「MOOSIC LAB 2024」より、ロードショウ公開時見逃していた今作をタイミング良く観ることができました。

短編作品「凪の憂鬱」シリーズ、「高校生編」「大学生編」を経て、初の長編映画として製作された作品で、大阪で契約社員として働く主人公の凪とその周囲の人たちとの1週間の出来事が描かれるお話。

「高校生編」と「大学生編」を観ておくと味わいが深くなることが前提ではありますが、主演の辻凪子さんの精神的な成長と共に、コメディともドキュメンタリーとも青春ドラマのない交ぜになった心地の良い時間と大阪の普通の情景が、特別でない人生を模索する姿が、緩くもありつつ、美しい作品だと感じました。

短編時代の切れ味からすると、長編の味わいは時間の流れ方、エピソードの切り取り方が違うので、多少間延びする感じもありつつ、終盤のゲートボール大会の確信犯的な長さとか、自由度の高いシナリオの面白さが生かされていて、巻き込まれ型の主人公の成り行きのエピソードの妙があって、その瞬間の等身大のリアルが切り取られていて、自然体な演技、空気感は大変良かったです。

上映後は主演の辻凪子さんと友人あみ役の佐藤あみさん、怪談師役の川本三吉さんのトークがあって、撮影時のエピソードや、次回作の構想などが聞けて、有意義な時間でした。

上映後の写真、旧作のリンクはブロにて
https://ameblo.jp/hinomoto-hertz/entry-12832042301.html
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