真魚八重子

マグダレーナ・ヴィラガの真魚八重子のレビュー・感想・評価

マグダレーナ・ヴィラガ(1986年製作の映画)
3.0
時制軸を細かく前後させているけれど、わかりやすいのでそこで戸惑うことは少ないはず。娼婦のアイダ、またの名をマグダレーナは客の男を殺したとして逮捕され、収監されている。
少し太めの親しい娼婦と、金髪の常に全裸の謎の女性が「姉妹であり姉妹ではない」と語られる。この辺りの演出が少々稚拙に感じるというか、シュールな観念劇をやってます、といういかにもな感じでちょっと恥ずかしい。

ニナ・メンケスは炎の作家だ。炎の使い方はプリミティヴかつ斬新で、とても印象に残る。

男と女は違う世界にいて、それが重なり合っているような世界観。繰り返される正常位のセックスで女は表情を変えず、男だけが運動に励む。娼婦は仕事だからしょうがないか。イエスが復活しない世界では、収監されたマグダレーナに救済は訪れない。女同士で助け合う他はない。
真魚八重子

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