sonozy

HOW TO BLOW UPのsonozyのレビュー・感想・評価

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)
4.0
スウェーデンの学者アンドレアス・マルムによる2021年の同名のノンフィクションに着想を得た、8名の若者たちがパイプライン(石油インフラ)を爆破するという難易度の高いエコテロリズムを実行するというフィクション。

書籍の内容をざっと調べて見ると、気候変動問題が危機的状況にある中、もはや非暴力的な抗議行動だけでなく、より直接的で時には破壊的な手段を採るべきである。つまり、化石燃料のインフラを物理的に破壊する(パイプラインを爆破する)といった行動は、政治的な変革を促進し、気候変動を阻止する有効な手段であると主張したもので、大きな議論を呼び起こしたようです。

本作では、実際に石油会社による健康被害/環境被害を受けたメンバーを中心とする8人の若者が、テキサス州西部を舞台に、2箇所のパイプラインの爆破計画を遂行するというスリリングな展開の中に、各メンバーの背景やこのプロジェクトの参加に至る流れがインサートされる構成で、最後まで引き込まれました。

首謀者となるのが母を亡くしたXochitl(ソーチ? アリエラ・ベアラー)。彼女は、爆破という過激行動を起こすものの、その被害は最低限にとどめ、メディアを動かして共感を集め、活動を次につなげるという狙いをきちんと考えているのがポイントでしょうか。(後半でなるほどそこまで考えてたんだ。。という)
近年ニュースとなった、世界の名画にあれこれぶっかける系の過激なエコテロリストより肝が座っているというか。

ソーチの親友で、慢性骨髄性白血病により死期が迫るテオを、『アメリカン・ハニー』で注目を集めたサッシャ・レインが演じてます。
sonozy

sonozy