本作の情報を知ったとき、こんなにシンプルな題材で、2時間半って大丈夫?しかもカンヌパルムドールってマジ?と俄かに信じがたかったが、その杞憂も見事に吹き飛ばしてくれて大満足だった。
やはり、パルムドール受賞作というのは普通の作品ではない、もちろんいい意味でだ。
まず、そのシンプルさを逆手にとった引き込まれる話運びは非常にハイレベルの一言に尽きる。主演サンドラ・ヒュラーによる力量も大きい。
加えて、〇〇と〇〇によるドライヴ感で一気に全てをさらってしまうハイセンス、今年これ以上の〇〇と〇〇はないと確信できるくらい、素晴らしいカタルシスを体感した。
そして、何事も深掘りは行われるものの、境界線をはっきりと示さない統一感が絶妙なハイクオリティーを叩き出し、ゾクゾクした。
真実と事実のかけ違いに新たなる大傑作を爆誕させたジャスティーヌ・トリエを称えたい。
カンヌ映画祭パルムドール受賞作。
アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、編集賞ノミネート。