フィンランド映画祭の先行上映にて、主演のユッシ・ヴァタネンさんのオンラインQA付きの回を鑑賞。
前作で引退宣言をしていたアキ・カウリスマキ監督の復帰作。
片や仕事中の飲酒で、片や賞味期限切れの食品の持ち帰りがバレて、いずれも職を失った二人がカラオケバーで出会ったものの不運にも再会できず、、、。という内容。
ロシアのウクライナ侵攻や北国特有の陰鬱さがあるが、監督としてはハッピーな作品だとのこと。
確かにラストは二人の将来が明るく見える。
幸福度ランキングの高い国フィンランドの首都ヘルシンキが舞台であるが、どうも街や住宅のインフラがあまり整ってないように感じた。世界有数の大都市であり新陳代謝の激しい東京との比較には無理があるか、、、。
名画座と思われる映画館の前で待ち合わせたり、犬の名前がチャップリンだったり、作中では気づかなかったけどエンドロールでジャームッシュの名前が出てきたりと、他の作品へのオマージュと思われる部分がいくつかあった。
上映後のQAでヴァタネンさんにオマージュの件を聞いてみたところ、カウリスマキ監督はとにかく映画に関する造詣が深く、他の映画人を尊敬しており引用は数多くある、とのことだった。
また他の方の質問で、好きな日本映画は?との問いに「圧倒的に七人の侍」と応えていた。さすが世界のクロサワ!
(ウクライナ侵攻など)世界は難しいけど、この映画を観て貰えばちょっとの幸せがある、という言葉で締めくくられていた。