アもん

関心領域のアもんのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.9
音響賞ということもあって、
やはりこれは映画館で観る映画です。
それは予告編やあらすじをなんとなく目を通した観客は想像できる、残酷な効果音環境音声がずーっと聞こえてくる。
音楽も凄まじく不気味で嫌になる。
タイトルもわかりやすい。
まさしく、関心領域を意識させる映画である。

ただ、ぼく個人的には、あまり驚きはなかった。身構えていたというのもあるけれど、第二次世界大戦のアウシュビッツ隣のあの世界にも、日常はあったのだろうという想像力が、ぼくにはあったんだと思った。
一つ一つの衝撃的なセリフも、意外と驚かず理解できた。

たぶんこの映画を観る人は関心領域広い狭いというよりか、それをある程度意識している人が見るんではないだろうか。その点で言うと、意識していない想像力のない人が、見に来て、『ハッ、そうか』と気がつくような、エンタメ性とサスペンス性のある作品の方が、実はこの企画のやりたいことを達成できたのではないだろうか。

『アウシュビッツ』『戦争』『ドイツ語』
で、あー、俺見なくていいや、難しそう
と言って、この映画が『関心領域』に入らない、そんな人がどれほどいるか。
A24マークとアカデミー賞がついたので、
ある程度の人はみるか。
それか、学校教育で必ず見せてもいいくらい、みんなが見るべき意味のある企画の映画だと思う。

芸術点的にはやはりすごい。
画角はすごいし、特に音楽と絵と声の編集タイミングが新しくて気持ち悪くて凄く良くて、なに?って思ったら、バリバリの映像MV監督なのね。
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