やんすけ

バラシファイトのやんすけのレビュー・感想・評価

バラシファイト(2023年製作の映画)
1.5
今年映画館で観た作品の中では一番酷い出来の作品だった。あまりレビューで最低評価を付ける事はないんですが…この作品に関しては良い部分が何も見つけられかった。

「撤収作業時(バラシ)に、裏方の人々が打ち上げ参加権をめぐってバトルする」という基本プロット自体は良いアイデアなのですが、それが肝心の「面白い映画作品」に仕上がっていない。プロットだけで突っ走ってしまい、ちゃんとした脚本までに落とし込めていない印象。撮影しながら脚本を書いてったんじゃないかなと思える出来。結果、小ネタが足りずにコメディ作品として弱いし、シリアスとのギャップも効いていない。エンタメ業界のあるあるネタにもなっておらず、結果として「すごく寒いコメディ作品」になってしまっています。カメラのカット割りも平凡だし、階段の踊り場から降りるだけなのにスローモーション演出が掛かるなど…学生の自主制作映画なのかと思ってしまった。役者陣(舞台役者さんたちなのかな?)の演技も映画作品としては不自然な場面が多く、セリフ回しも正直「下手クソだな…」と思うシーンが大半だった。取って付けたようなラストの落ちも寒すぎて…エンドロール時には引いてしまっている自分がいました。


制作予算がないからワンシチュエーション作品にしたいのは分かるけど、出来上がった作品から低予算感が滲み出ちゃっているのが残念。ワンシチュエーションでもアイデアや演出や工夫で面白い作品もあるのに…。邦画ってやっぱダメなのかなと悲しくなる一本でした。
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