BROOK

哀れなるものたちのBROOKのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
鑑賞日:2024年1月30日
パンフレット:940円


辿り着いたそこは、”最高”に幸福な場所――!


ヨルゴス・ランティモス監督作品を観るのは初。
予告編を見て、自分に合うかなぁ…と心配だったけど、
それは杞憂に終わりました。
これは、ホント観て良かったと思える作品ですね♪


主人公のベラを演じたエマ・ストーンですが、アカデミーの主演女優賞をおそらく獲ると思います。
ホント凄かった、、、それしか言えません!

ダンカンを演じたマーク・ラファロも良かったと思います。


映画は、ひとりの女性が橋の上から身投げをするシーンから始まります。


天才外科医ゴッドウィン・バクスターのもとで何不自由ない暮らしをするベラだったが、大人の身体をしているものの、知性は子供並みで…
それには理由があった。

バクスターは青年医師のマックスにベラの行動を観察させることに。

彼女は徐々に性的なことにも興味を抱き始める。

ベラの言動をメモしていくマックスは、彼女の”本当のこと”を知りたく、ゴッドウィンの研究ノートを盗み見してしまう。

ゴッドウィンはベラの真実をマックスに告白。
身投げした女性は妊娠しており、胎児の脳を女性に移植し、蘇生させたという。

ベラに惹かれていたマックスにゴッドウィンは結婚するように進言。

弁護士のダンカンを通して、書類をまとめるものの…
ダンカン自身がベラに惹かれ、彼女を外の世界へと連れて行くことに。

ゴッドウィンとマックスはただそれを見守ることしか出来なく…

ダンカンとベラはまずリスボンへと赴くのだった…。


いやー、、、
かなり奇抜な設定なんだけど、非常に見入ってしまいました。

というか、今作はベラの成長物語なんですね。
身体は大人でも、精神は子供のままなので…
ベラが子供から大人へと成長していく様子を丁寧に描いている感じ。
ま、その”成長”がかなりぶっ飛んでいるというか…(苦笑)

そうそう、社会の恐ろしい側面もきちんと描いていましたよ。


リスボンに行ってから、章構成になっていて…
「リスボン」→「船」→「アレクサンドリア」→「パリ」→「ロンドン」と進んで行く。

「リスボン」のベラと「ロンドン」のベラでは最早別人になっています。
エマ・ストーンのその演じ分けが見事としか言いようがない!

R18+なので、18歳未満は観られない内容になっているけど…
そこまで厭な感じではなかったと思う♪
エマ・ストーンが体当たりな演技をしているとだけ言っておきます。
インティマシーコーディネーターという方がいて、きちんと演技指導されているんだとか。


終盤は、”伏線”をきちんと回収してきて…
あのセリフがやっぱりね…と。
でも、あの将軍の”結末”は、ま、そうるしかないか…と。

ゴッドウィンのこと、マックスのこともきちんと帰着するのでご安心を。

ラストシーンのなんて”幸せ”なこと…
素敵な結末でした♪


ヨルゴス・ランティモス監督の名前、良く覚えておきます!!
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