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サラウンデッドのHKのレビュー・感想・評価

サラウンデッド(2023年製作の映画)
3.5
地味で異色ながらもいちおう立派な西部劇でした。
邦題は原題“Surrounded”をカタカナにしただけで、これじゃ意味不明。
南北戦争後、奴隷から自由の身になった黒人の主人公は辻馬車に乗り約束の地を求めて西に向かいますが、途中で馬車は馬に乗った盗賊団に囲まれ(サラウンデッド?)・・・

奴隷が解放されたといっても主人公は馬車に乗るにも差別され荷台に乗せられる始末。
盗賊団が乗客を馬車から降ろして並ばせ、主人公に「オマエも平等だ」という皮肉。
しかし銃声に驚いた馬車が暴走し、乗客と盗賊との銃撃戦という思わぬ展開に。
少年のように小柄で銃の腕はとても奴隷出身と思えないこの黒人の正体とは・・・

以下ネタバレですので、本作をマッサラな状態で楽しみたい人は見ないように。










華奢な身体に大きな帽子で顔を隠し少年のように見えますが、主人公の黒人は実は若い女。
無口ですが、たまに発する声が高めなので早めに気づく人もいると思いますが。
南北戦争では男と偽って4年間の兵役を積み銃の腕も確か。

しかもどこかで見た顔のようなと思っていたら、なんと『ブラック・パンサー』シリーズの“シュリ”ことレティーシャ・ライトでした。
出演は他に盗賊団のリーダーにジェイミー・ベル(『スキン』『ロケットマン』)。
乗客の一人にジェフリー・ドノバン(『キャッシュトラック』)など。

あの身体であんなデカイ銃を正確に撃てるのかとか、何人もの死体を運ぶ力あるのかとかいくつか納得しがたい点はあるし、いろいろと粗削りではあります。
でも殺伐とした中にもときに意表をついた展開や異色の主人公像はちょっと新鮮で、まだまだ西部劇もいけるという気にさせてくれます。
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