Melko

遥かな時代の階段を 4K デジタルリマスター版のMelkoのレビュー・感想・評価

3.7
「リリーさん、白い男の居場所を教えてくれ」
「あんた、死ぬよ。それを聞いた男はみんな死んじまった」

「銃を撃ってみろ、坊主」

去年完走した濱マイクのドラマシリーズ
元々あった映画3作、4Kリマスターの劇場公開!気付いたのが遅く、1作目を見逃してしまった…が、なんとか2作目は見れた!

ドラマ版は茜が中島美嘉でギャルだけど、映画版は違う女優が演じてる。この作品では純朴そうな茜。ギャップが凄い。

両親のいないマイクと茜
彼らを捨てて出て行ったストリッパー リリーと、謎の川、そしてその川を牛耳るの謎の男、その利権をめぐる争い
多分1作目で重要な人物だったんだろうな、冬彦さん演じる政治家 神野
当たり前のようにマイクに毛嫌いされてて、これは1作目を見とけばよかったなぁ…と

前半の和やかでコミカルな雰囲気が一転、血生臭い戦いに超シリアスな展開、終盤のタイマン ロシアンルーレットと、後半が重苦しくなるのはドラマ版も同じだから驚きはしなかったけど、それにしても些か暗すぎ。
でもこのなんともいえないハードボイルド感がたまらない。たっぷりと映す横浜、レトロな空気、マイクや周囲の人間の何とも言えない渋さ。中身ももちろんしっかりあるけれど、まさに雰囲気映画
こんな映画を作っていた時代もあった、日本。

子犬を探して駆けずり回り、警察からの得意の脅しや隠密行動、因縁の母との再会に白い男との対峙、そして額に汗しながらのタイマンロシアンルーレット
ただ1人東奔西走するマイクの演技も見ものだが、凝りに凝られたセットや色彩が独特なシーン、カメラワークも興味深い
後半に出てくるキャラのビジュアルやセットの雰囲気がめっちゃ寺山修司の天井桟敷っぽいなと思ったら、監督は在籍してたことがあるんだね。

30年近く前の映画
キャストがみんな若い!!特にマイク役の永瀬正敏含、声が高いし華奢なので、近所の気の良い兄ちゃん感
冒頭自己紹介をする際お決まりのセリフが頼もしい
監督含めた制作スタッフが「濱 マイク」をどれだけ愛し大切にしていて、丁寧に作られた作品なのかが、よく分かった
エンドロール後は当時作られた3作目の予告編が流れた
劇場で見たい!!
Melko

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