垂直落下式サミング

NO選挙,NO LIFEの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)
4.2
選挙映画二本立てっ。真打ち登場!
最初の『シン・ちむどんどん』がクソ駄作だったから、何割増しかよくみえる。似たような題材だけれど、真剣さが違って面白い。
政治ライターの畠山理仁さん。とかく真摯で真剣。ジャーナリストとしての自分の仕事が、大好きであることが伝わってくる。政治意識の高い芸人とラッパーが、片手間に行った活動なんかとは比べ物にならないわ。
候補者の選挙活動をおって、東へ西へ。睡眠時間を削って飛び回るなんて、好きじゃなきゃできないよな~。ぜんぶを知りたいってストイックな欲求のようにみえるけれど、そうしなければならないって強迫観念にかられているようにもみえて、社会生活との両立かなぐり捨ててんのとか、その執念が怖くなってくる。
自身の担当ジャンルを丸ごと理解するところからはじめようとするのや、コスパ無視タイパ無視のパワー系活動は、古い時代のいにしえオタク的感性に似てる。網羅性へのこだわりが強くて、好きで続けてるから興味のない他人からの共感なんて二の次。足を止める時間が惜しいから。かっこいい。
普通の会社勤めはできないだなんておっしゃいますけど、半分趣味でもう半分仕事みたいな活動だから、ぜんぶは望みませんって、オトナな割りきりだなぁと。
民主主義とはなにか。日本はどこへ向かうのか。政治家たちに接近し、徹底してミクロへと向かう。誰かがやらねば。熱血現場主義。時間と労力を惜しげもなく注いで、ようやくなにかがみえる。民主国家の現在地とは?