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雪豹のギルドのレビュー・感想・評価

雪豹(2023年製作の映画)
3.4
【一方的に共生させてるじゃんwww】【東京国際映画祭】
■あらすじ
本年5月に急逝したチベット人監督ペマ・ツェテンの最後の作品のひとつ。
舞台は白い豹が生息するチベットの山村。
若いチベット僧と豹との交流をファンタジックな設定の中に描き、人間と動物の共生の可能性を問う。

■みどころ
飼ってる家畜が野生の雪豹に9匹食い殺されて「この畜生ぶっ殺してやる!!」と鼻息荒い村人兄貴と出家して僧侶になった兄貴の弟と村長らが雪豹を逃すかどうか延々と痴話喧嘩するお話。
雪豹は神聖な動物だから殺すなんてやったら駄目だぞと宥める村長から、いや雪豹は国家一級保護動物だから柵に軟禁させてると犯罪でしょっぴくぞと脅す役人らも参戦して雪豹の生殺が揺れ動いていく。

極めてミニマムな映画でありながらも、本作はそういった人間の利己心への補填・怒りのぶつけどころを描きながら人間が課した信仰・法律の力学の無慈悲さをも描くのが特徴的な映画だと思う。
個人的には雪景色や雪豹のCG描写に惹かれたものの、延々と痴話喧嘩をした挙げ句に共生する問いが「人間都合で生かす殺す決まってるじゃん草」という印象でそこまでハマらず。

雪豹の神聖な雰囲気とちょっと動物ぽい弱々しさがありながらも、結局は人類は地震・隕石で死すべしという人間悪になるギャップが良いのかもしれない…?
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