ギルド

左手に気をつけろのギルドのレビュー・感想・評価

左手に気をつけろ(2023年製作の映画)
3.0
【左利きの大人が暴れる子供に狩られる姿、撮りてぇなぁ】【東京国際映画祭】
■あらすじ
左利きが媒介するウイルスが蔓延し、こども警察により取り締まられる世界で、失踪した姉を探す主人公・りん。偶然出会った運命の人と世界を変えていけると思い込むが…。

■みどころ
前衛的な作品でした。

子供が暴れる映像、大人が子供に狩られる映像を撮りたい目的から作られ、エミール・コール&ジョン・カーペンター、ジャン=リュック・ゴダール「ウィークエンド」から着想を得た作品。

「左利きが狩られても良いかな」なやりたい事を映画に落とし込んだ映画で、自販機でうっかり左利きで左手が出てしまうシーンは良かったです。そうした仕草と子供警察が大人を取り締まる荒唐無稽さな所は面白かったです。

映画は失踪した姉を探すりんを主人公に、様々な場所を転々とする話がメインになる。

喫茶店で飴をもらった女の子とばったり会ったり、ユーロスペースで知らない男の人に缶ジュースをもらったけど、「その男がファム・ファタールで本当の人なんだよ」と言われて追跡するなど様々なシーンが挿話されていく。

コンセプトが面白いだけに話とコンセプトが「やりたいことをなだらかに一直線にしました」という気概故にあんまりマッチしていないように感じてそこが惜しいと思いました。

絵の圧がとにかく強い部分を除けば、やってる事がスサンネ・ビア「バード・ボックス」と同じなのでは?とも思った。

P.S.
東京国際映画祭、5回参加して5回ともに普段の映画館では見たことないレベルのマナーの悪さが目立っている。

自衛するしかないのかなと思って、映画上映中のビニール袋のガサガサ音対策に耳栓を付けてたけど、耳栓付けても終盤のゴダール「ウィークエンド」オマージュのシーンがうるさく感じるのは草でした。

改めて耳栓を付けてる事に感謝した瞬間です。
ギルド

ギルド