Paula

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーのPaulaのレビュー・感想・評価

4.0
SOME SAY THE WORLD END IN FIRE
SOME SAY IN ICE
FROM WHAT I'VE TASTED OF DESIRE
I HOLD WITH THOSE WHO FAVOR FIRE
BUT IF IT HAD TO PERISH TWICE
I THINK I KNOW ENOUGH OF HATE
TO SAY THAT FOR DESTRUCTION ICE
IS ALSO GREAT
AND WOULD SUFFICE
       
         ROBERT FROST

映画も始まる前にロバート・フロストが1920年に発表した ”Fire and Ice” という卓越した Rhyme scheme からなる詩を載せている。この詩を含めたアンソロジーが3年後にはピューリッツァー賞を受賞している。

Rhyme scheme ...押韻は行の最後の部分にされる
Desire ➡ Fire 
Hate ➡ Great
Ice ➡ Suffice

氷と炎は、文字通りの意味ではまったく異なるが、ここでは同じもの、つまり人類の破壊的な可能性として共時性があり、この詩が書かれたのがちょうど第一次世界大戦が終結した時で戦争すなわち "炎" が欲望と韻を踏んで結び付けている。だからそこには、話し手である「私が味わった欲望から、私は火を好む人々を支持する。」と言い、そして詩の終わりには憎しみと無関心を表すメタファーとして "氷" は、世界の終わりをもたらすもう一つの対極的原因であり、また 「素晴らしい」だろうと付け加えている。
それはダンテの『神曲』にも登場する冥府の底、地獄の最下層に位置する「氷の地獄」で、最も重い罪と裏切りを行った者を永遠に縛り付ける場所であるコキュートス(Cocytus)をイメージしたとも言われ、また一方では天文学者が述べる地球の最後...つまりフロストに彼は「太陽が爆発して地球を焼き尽くすか、たとえ地球が焼却を逃れたとしても深宇宙でゆっくりと凍結するかのどちらかだ。」と答えたとされている。でも...?

この映画自体は、フロストの詩 "Fire and Ice" とは関係がなく、対極的で単純な構図の "炎" と "氷" の対決に話を持っていっている。

前作『Ghostbusters: Afterlife』が成功したおかげで予算が2500万ドル上乗せされているけど美術的にこの大幅な資金はどこに使われているかは素人でははっきりとは、分からない。

ハロルド・ライミス、没後10年とコロンビア映画の誕生100周年という事で SONY がコロンビアを買収した当時は、食い物にされたり、いろいろあったけど拝金主義のディズニーのように FOX の名前をロゴから完全に消したような愚かな真似はしなかったのはよかったのかもしれない。こうやって 歴代のコロンビア・レディのトーチの輝きが見れますもの!?

ミドルティーンのフィービーに焦点を当てている映画としたら、今までにないほどの凄惨な場面があり、しかしながら意外性なところはないオーソドックスで過去の『ゴーストバスターズ』フランチャイズの寄せ集め的シナリオになっているように思えるし、ダン・エイクロイドとビル・マーレイの加齢が目立つけどできるだけこれからも楽しませてほしいと思える作品にはなっている。ただ本作はコメディの味付けがあたしには、薄すぎますデス!?

    ♪ I ain't afraid of no ghosts
Paula

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