この映画はボギーことハンフリー・ボガードに尽きる。
あんなダンディーで二枚目すぎる探偵がどこにいるんだ。
小説を読んだような鮮やかさもまた良し。
シェパード探偵に絡んでくる強烈なキャラに負けず劣らずの存在感はすごいものがある。
鍵を握る女性への気遣いがボギーらしいし、マルタの鷹への皮肉めいた言い方。
ラストのホテルでの30分ほどの会話のやり取りに、役者の妙が楽しめます。
気付きませんでしたが、これジョン・ヒューストン監督のデビュー作だったのか。
構成の仕方にはやはり巧さがあり、これぞまさにハードボイルドの域。
このぐらい上手く原作を料理してくれたら文句はない。