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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々のtulpenのレビュー・感想・評価

4.0
白バラとは?
「打倒ヒトラー!」を市民に訴え1942年の6月頃から翌年2月まで町中の壁にスローガンを書いたり6回に渡って市民に自由を呼びかけナチス・ドイツ劣勢のありのままの現状を伝えるビラを作成し配布した抵抗グループ。

メンバーはゾフィー・ショル兄のハンス、仲間のクリストフ・プロープストを含むミュンヘン大学生5人と同大学の哲学教授を合わせた6名。1943年に全員が逮捕され、処刑された。

皮肉なことに、
ゾフィーを演じたユリア・イェンチも彼女を尋問するアレクサンダー・ヘルトも『ヒトラー~最期の12日間~』に出演している。
巧いんだ、2人とも。
向かい合っての尋問シーンなんか息を止めちゃうほど。

同じ最期でもゾフィーたちの場合はビラを撒いてからたった5日間の短い間に尋問、裁判にかけられ処刑されてしまう。

ヒトラーが自決するまでにどんどんと顔が無表情になり(元からだったけど)曖昧になっていくのに対して、
彼女たちメンバーの顔はくっきりと精悍で美しくさえある。
同じ決意であってもこうも違うものなのか・・・と思う。


処刑前に両親に会い、父親に「お前を誇りに思う」と言われた時のゾフィーの表情。涙がぶわっと溢れたシーンでした。

信念と誇りの為に、死ねる人と死ねない人がいる。
その勇気に身震いと涙が止まらなかった。
ラストの処刑シーン(ギロチン)はかなり衝撃でした。


静岡シネギャラリーにて。
2006.4/19 (28) 通算880
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