ちろる

八日目のちろるのレビュー・感想・評価

八日目(1996年製作の映画)
4.4
この監督は難しいテーマの中にポップな音楽や鮮やかな色彩を印象づけるのに非常に長けるところが大好きなので、この作品が他の監督の手にかかっていたのなら果たして観られていたかは定かではない。
テーマはかなり厄介で一筋縄ではいかない、障害者の青年とプロ営業マンの友情物語で。
障害者をテーマにしているからといって、決してお涙頂戴にも、天使のように崇めて教訓じみた作品でもない。

そういう爽やかなものを求めていたわけではないが、余りにもジョルジュやほかの施設の子たちの身勝手さに正直苛立ちすら感じたので、手放しでこの作品がすごくよかったとは言いたくない。
でも、ラストに主人公のアリーの笑顔をみたとしどうしようもなく涙が止まらなくなった。
そういう意味ではこの作品は頭ではまだ認めたくなくても、心をどうしようもなく打ってしまうわたしにとってとっても厄介な作品になってしまった。


神様はその人にとって大切なことをつたえようとするために、誰かのからだを借りて現れると言われる。
その人ら必ずしも好ましいとは限らない、むしろ少し厄介な人である可能性がある可能性が高いとも聞いたことがある。
そういう意味ではアリーにとってジョルジュは人として生きるために大切なことを教えるために現れた彼にとっての神様であるのかもしれない。
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