風来坊

チョコレート・ファイターの風来坊のレビュー・感想・評価

チョコレート・ファイター(2008年製作の映画)
3.5
再鑑賞。

発達障がいを患うが一度見た体術を習得出来るという特別な能力を持つ女の子のゼン。
病気の母の治療費を工面するために、映画で覚えた体術を武器に母の貸したお金をマフィアから取り立てようとするが…。タイ産のアクション映画。

「マッハ」のスタッフが集結して製作されたそうですが、主人公が障がいを持っている設定もあって「マッハ」ほど痛快に楽しめるアクションとは違いますね。
一度見た体術を習得出来るというトンデモ設定を活かすためか、主演のジージャーさんの線が細すぎてちょっと痛々しく思ってしまう…。

やっぱり修行してナンボで筋力は大事を覆す設定は斬新と当時は思ったものでした。
しかし…アクションにスピード感はありますが、パワーがないので迫力が無く軽い感じになってしまってます…。
痛々しさは伝わって来ますが、観たいのはこれじゃないが強い…。

ストーリー的にも「マッハ」は単純明快で比較的明るくてそれが爽快なアクションと重なって良い感じになってましたが、今作はとにかく話しが暗くてそれがアクションに爽快さを無くす原因になっていると思います…。
当時話題となった阿部寛さんがタイ映画に進出ですが、実際は出番は少なく顔見せ程度。タイ映画でも相変わらず渋くて男臭くて良かったと思います。

やっぱり「マッハ」のスタッフだけあってアクションシーンの見せ方やアイディアは素晴らしいですが、脚本に関してはドラマ性重視は分かるもののイマイチ繋ぎも悪く好みの展開ではありませんでした…。
音楽は非常に良くてドラマパートを盛り上げていました。

痛々しさが伝わって来る体当たりのアクションは確かにスゴく、なんにしても当時のタイ映画のハングリー精神を感じられる映画です。
風来坊

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