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テイキング・ライブスのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

テイキング・ライブス(2004年製作の映画)
4.3
1983年、カナダ。1人の少年が家を出た。その名をマーティン・アッシャー。
数日後、母親の元に彼が交通事故で死亡した、という知らせが届く。だが・・・。 そして、現在。
ある工場で白骨化の進んだ死体が発見される。絞殺され、両腕を切断されてもいる被害者の死体。
解決困難な広域猟奇殺人の匂いを感じたモントリオール警察のルクレア(チェッキー・ケイリオ)は、FBIに捜査協力を要請。
モントリオールに単身で乗り込んできた特別捜査官イリアナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、殺人現場と死体、あるいは現場の写真だけで犯人像を分析するプロファイルの天才だった。
パーケット(オリビエ・マルティネス)とデュバル(ジャン=ユーグ・アングラード)の二人の刑事は、死体が発見された地中に横たわるイリアナの姿を見る。彼女はそこで犯人の思考に深く入り込んでいるのだった。たちまち、誰も気づかなかった些細な点から犯人像を指摘するイリアナ。捜査は少しずつ進展を見せ始める。
そんな矢先、次の殺人事件が起きる。今度の事件には目撃者がいた。その男コスタ(イーサン・ホーク)にイリアナは尋問する。
一方、死んだはずの息子をフェリーの中で目撃したと、アッシャー夫人(ジーナ・ローランズ)が警察に届け出る。
夫人は自分の息子を、とても残忍な性格で危険な人間だ、と言い放った。
イリアナはその証言を気にとめ、アッシャー夫人に会いに行く。イリアナの推理と捜査によって、マーティン・アッシャーが生きていることが確実になる。
彼は自分の死を偽装するため、最初の被害者に成りすまし、以降それを繰り返しているのだ。
“人生そのものを乗っ取る(=テイキング ライブス)”
そして、その人生に飽きたら次の獲物を探すのだ。果たして今は誰に成りすましているのか?イリアナの直感は彼が近くにいる、と伝えていた。コスタの前に現れる謎の男(キーファー・サザーランド)。彼がマーティンであり、コスタが次の目標なのか?コスタの警護を開始するイリアナたち。だが、事件はイリアナの想像を遥かに超え、彼女の人生自体を翻弄する衝撃的な展開を見せる。彼女を待ち受ける最悪の事態とは?すべてに決着をつける時が静かに近づいていた・・・・・。
デヴィッド・フィンチャー監督の「セブン」がヒットしたことで、サイコサスペンス映画が量産され、まさに玉石混交。
この映画は、稀にある玉の1つ。
犯行現場に横たわり犯人をプロファイルするのが得意技(刑事ドラマ「アンフェア」の主人公雪平夏見の元ネタ?)で、仕事一筋でフェミニンなファッションが似合う捜査官イリアナが、「テイキング・ライブス」相手の人生を奪って殺し成りすますサイコキラーを追うサイコサスペンスを、現場検証や関係者の証言などから容疑者を推理していく展開は良いけど、手伝う刑事が無能なせいで犯人にたびたび出し抜かれたり粗があるけど、イリアナが関係者のコスタに好意を抱いたり女性の面をちゃんと持っている人間的な部分があるのがアンジェリーナ・ジョリーらしいし、派手なカーチェイスやアンジェリーナ・ジョリーとイーサン・ホークのセクシーシーン、痛快などんでん返しのオチも良いサイコサスペンス映画。
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