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マウス・ハントの一人旅のレビュー・感想・評価

マウス・ハント(1997年製作の映画)
4.0
ゴア・ヴァービンスキー監督作。

スティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークスが製作を手掛け、アダム・リフキンのオリジナル脚本を基に、のちに『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『ローン・レンジャー』といったハリウッド大作の監督に抜擢されることになる新鋭ゴア・ヴァービンスキーが演出を担当した痛快コメディ映画です。

死んだ父親の遺産として廃業寸前の製糸工場と郊外のオンボロ屋敷を相続した兄弟が、屋敷が有名建築家が19世紀に手掛けた歴史的建造物であることを知り、早速オークションで屋敷を売却すべくリフォームを始めるが、屋敷の先住者である一匹のネズミが兄弟の邪魔をしてきて…というネズミが主役のファミリーコメディとなっています。

ネズミ版『ホーム・アローン』といった趣きのドタバタコメディで、人間の兄弟vs一匹のネズミの熾烈な攻防をコミカルに活写します。『スチュアート・リトル』のように擬人化された喋るCGネズミではなく、“本物の生きたネズミ”を撮影に多く使用しているのが素晴らしいですし、異常に知能が発達したネズミの危険察知&回避能力と、下手すれば人間が死ぬレベルの大掛かりな反撃トラップが痛快で愉しいファミリーエンタメムービーに仕上がっています。

ボンクラ兄弟vs天才ネズミの異種バトルをひたすら描いたドタバタアニマルコメディですが、少しだけ『レミーのおいしいレストラン』を彷彿させる結末がほっこりハートフルな味わいですし、完全な悪者には成り切れない兄弟の人間味溢れるキャラクターも子どもに優しい人物設計となっています。
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