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マトリックスのYYamadaのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.0
【アクション映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 心理描写より外面的な動作を重視
 ○: 格闘・戦闘を解決の糸口とする

◆作品名:
マトリックス (1999)
◆アクション映画のジャンル
近未来SF/ 仮想空間の破壊
◆類似作品
・ふしぎの国のアリス
・ゼイリブ
・男たちの挽歌
・GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・プログラマーのトーマス・アンダーソンは、ネオという名で知られた凄腕ハッカー。ある日、謎の美女トリニティを介して対面したモーフィアスから、人類が現実だと思っている世界が実はコンピュータにより作り出された仮想世界「マトリックス」であり、現実世界ではネオをはじめとした人間たちはコンピュータに支配され、眠らされているという驚きの真実を明かされる。
・モーフィアスの誘いに乗り、現実世界で目を覚ましたネオは、彼こそが世界を救う救世主だと信じるモーフィアスやトリニティとともに、コンピュータが支配する世界から人類を救うため戦いに乗り出すが…。

〈見処〉
①「心を解き放て」
 SFアクション映画の金字塔!
・『マトリックス』(英: The Matrix)は、1999年に製作されたのSFアクション映画。
・キアヌ・リーブス主演で、仮想現実空間を舞台に人類とコンピュータの戦いを描いた本作は、当時ハリウッドで一般的でなかった哲学的要素を含むストーリー展開に革新的なアクションシーンを加え、世界的大ヒットを記録した。監督は本作が監督2作目のウォシャウスキー姉妹(現在の性別)

②驚異の映像革命
・本作は費用削減のため、主要ロケ撮影をシドニーで行い、コストの掛かる特殊効果アクションをラスト30分に集中させることで「驚異の映像革命」と称されたSFアクションをハリウッド作品として中規模となる製作費63百万ドルにて撮り終えている。
・本作で特に有名な撮影手法は、カメラが弾丸が迫るネオのまわりをスローモーションで周回撮影する「バレットタイム(マシンガン撮影)」。アクションシーンをハイスピードカメラのようにスローモーションで進行させ超人的な速さを演出する、この特殊視覚効果は、本作で発明されたもの。内情は120台のスチルカメラと2台の撮影用カメラにてアナログ手法にて撮影されたものであるが、本作公開後はハリウッド映画やゲーム、テレビCMなど、多くの作品で模写された映像表現となる。
・また、格闘シーンでは、香港アクション界の雄ユエン・ウーピンをアクション指導に招き撮影された「ワイヤーアクション」という古典的手法に加え、ジョン・ウー作品をルーツにする「ガンフー」アクションは、『ジョン・ウィック』シリーズなど後世の作品に影響を与えている。
・現在のアクション映画の多数は、本作の「驚異の映像革命」の影響を受けているはずだ。

③結び…本作の見処は?
電話ボックスまで逃げろ!
◎: 公開から20年以上経過した「最新の古典作品」であるが、本作で「発明」された特殊視覚効果とワイヤーアクションは、技術革新が進んだ現在のSFアクション作品と比べて、全く引けをとらない。
◎: まるでコミックの1シーンのような、印象的な画角構成が素晴らしい。冒頭5分の演出にて、鑑賞者は関心を掴まれるはずだ。
◎:尻上がりに面白いストーリー展開。特に 終盤のアゲアゲ・シーンが鑑賞後の高い満足感につながっている。本作の「時間配分」により、起承転結のメリハリが秀逸。製作者は企図していないだろうが、名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同符の「時間配分の黄金比率」を感じるのは、自分だけだろうか?
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