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陰陽師 〜おんみょうじ〜の福福吉吉のレビュー・感想・評価

陰陽師 〜おんみょうじ〜(2001年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
時は平安時代、平安京で帝の子、敦平親王が生まれるもその身に異変が生じたため、右近衛府中将の源博雅は陰陽師の安倍晴明に助けを求める。その裏では平安京に仕える陰陽師の首領、道尊が暗躍していた。

◆感想◆
生真面目な貴族の源博雅(伊藤英明)と都に関心なくのうのうと暮らす陰陽師の安倍晴明(野村萬斎)のコンビが繰り広げる悪しき陰謀との戦いを描いた作品となっており、2人のどこかズレた感覚がもたらすユニークでドラマと陰陽道の力を発揮してトラブルに対処する安倍晴明の独特な行動が楽しい作品となっています。

本作は平安時代の官職や身分があって登場人物の全てを把握しようとすると分かりにくいですが、基本的には博雅と晴明だけ覚えていれば、次第に重要な人物が限られていくので、ストーリーは理解できると思います。また、ストーリー前半に誰が黒幕か分かるので、内容も理解しやすいものになっています。

そして、本作の肝となる「陰陽道」の力ですが、色々と細かい設定があるみたいですが、ストーリー的には「魔法」や「呪術」と似たような感じで使われているので、大まかに人智を超えた力と考えて良いかと思います。

源博雅は平安京で上位の官職についており、都の警護に腐心する生真面目な人物として描かれており、出世や私欲に溺れない清廉すぎる性格が妙に人としてズレているように感じました。

一方、安倍晴明は陰陽の力量はずば抜けていながら、その力を誇示せず出世や都の存亡など一切興味なく、自宅でのほほんと暮らしている浮世人として描かれており、平安京で陰陽の頭を務める道尊(真田広之)に任せればよいと思っています。しかし、あまりにも真面目に博雅が説得するので、博雅の人柄に惹かれて晴明は問題解決に動きます。

本作のみどころとして、安倍晴明の陰陽のアクションが挙げられます。基本的に呪文のようなものを口にして行動を起こすものになっており、少年漫画的なアクションと言ってよいと思います。お札や五芒星の結界など少年心をくすぐる内容だと思います。

博雅の純真さと晴明のひねくれっぷりがなんともユニークな雰囲気を作っていて、緊迫感は薄いですが独特の面白さがある作品だと思います。

鑑賞日:2024年4月18日
鑑賞方法:CS 時代劇専門チャンネル
(録画日:2023年9月27日)
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