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灼熱の魂のchaooonのレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.0
第83回米アカデミー外国語映画賞にノミネートされたドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作🔥
原題のIncendiesはフランス語で炎や戦火、地獄の業火って意味もあるらしい🔥🔥🔥

カナダ人劇作家ワジディ・ムアワッドの同名の戯曲を映画化🎬
この映画の公開前に日本でも「焼け焦げるたましい」というタイトルで上演されたよう。

元が戯曲と聞いて一瞬面食らったが、最終的には愛や憎悪の物語に終着するので、演劇として表現するこの物語も確かに想像付くなあと🤔

双子姉弟ジャンヌとシモンに謎めいた遺言と2通の手紙を残してこの世を去った中東系カナダ人の母ナワル✉️初めて存在を知らされた兄と父を探すため、双子は母ナワルの母国を訪れその過去を知ることになるが、自分たちのルーツにも繋がる衝撃の事実が次第に明るみになるヒューマン・ミステリー。

今日から仕事始めなので正月ボケを解消するために、刺激の強そうな作品を選んでみたが、重いしラストの真実は想像以上にショッキング😨

話の主軸はナワルが歩んで来た痛烈な道のりや家族の真実を辿る旅だけど、1970年代のレバノン内戦が背景にあり、民族や宗教間の紛争の描写もただただ凍り付くばかり🥶
中盤くらいにあるジャケにもなってるバスが燃えるシーンで一度心がズタズタにされる…😭

戦争は暴力と死が渦巻き悲劇しか生まないけど、家族を引き裂き、人の運命をも狂わせる。
ナワルが背負ったものは余りにも重いし、彼女の愛も拠り所も全てを奪い、まさに内戦に狂わされた人生に言葉もない…。

ネタバレに繋がるので作品名は伏せるけど、ある有名なギリシャ悲劇を下書きにしてるそう。
だけどそれよりもかなりショッキングだわ😨

それでも最後の愛に終着する強さや死を目前にした時の悟りみたいなものは、計り知れない感情だったなぁ…
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