うめまつ

ラブゴーゴーのうめまつのレビュー・感想・評価

ラブゴーゴー(1997年製作の映画)
4.0
コロナを経て衛生観念が爆上がりした今、パン職人が腕時計したままパン捏ねてたり、癖でしょっちゅう髪の毛触ってたり(まず帽子を被って欲しい)、歌いながら品出ししてるのを愉快に見るのはなかなかハードルが高かった。さらにはジャージの客が店頭のパンを素手でベタベタ触ったあげく、噛んでたガムを中に入れてて卒倒しそうになったけど、あの行動の理由も特に回収はされなかったし、どんな時代も迷惑系YouTuberみたいな人って居るんだな。。頼むから他に楽しい事を見つけておくれ。

オムニバス仕立てで3つの話が少しずつリンクしていて大体こんな感じ(勝手にタイトル付け)↓

①歌うたいのベーカー〜初恋は透明人間45元〜
一番好き。主人公のパン屋が小学生の頃の初恋の人リーファに再会して、店に来る彼女を遠目に見つめてドギマギしたり、言い出せない気持ちをケーキの名前に託したり、ファンシーなレターセットに想いを綴ってみたりして、こんなに下心のないピュアな成人男性いる?とツッコミたくなるけど、いかにも不器用そうなので応援しちゃう。歌も下手過ぎるけどそこが良い。毎日髪の色が変わるバイトの子が、軽やかに手紙を奪って届ける所が全体通してのマイハイライト。仕事はやる気ないのに恋のアシストは上手いんかい。

②ポケベルが鳴りすぎて〜2週間で痩せる方法〜
一番ポップで楽しい。ポケベルブローチとかポロシャツリュックもダサ可愛い。停電演出が大好物なので、あの電話はてっきり異世界に通じてるのかと思ったら違ってちょっとがっかり。主人公リリーが隣人のパン屋と作曲家に誕生日を祝ってもらって、日用品で適当過ぎる仮装して歌うシーン好き過ぎた。リリーが謎に巨大化するとこもナイスアクセント。動物園のシーンは上手く行くとは思ってなかったけど、なんでよりにもよってあいつなの。そりゃないよ。私も帰りにバーガーキング寄ってやけ食いしたくなった。結局何にも知らないうちの片思いが一番楽しいんだよね。知ってたよ。

③ 髪結いの不貞者〜凧とケーキとスタンガン〜
絵的には一番良いけど、結局は不倫して相手の奥さんに職場に乗り込まれた上に男にも振られたって話なので、自業自得だねとしか思えない。(何が「君との甘酸っぱい日々を忘れない」だよ。レモンパイを汚すな。)その修羅場にたまたま居合わせて、助けてくれた上に励ましてくれちゃう気の弱そうなセールスマンは、大いにズレてるんだけど妙に献身的なとこがちょっと『恋する惑星』の金城武味があって良かった。でもあの屋上ケーキ1人で作るには半日近くかかりそうだけど、時間配分合ってる?
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