ジョージ・キューカー監督、オードリー・ヘプバーン主演、アカデミー作品賞ほか8部門を受賞した、 ジョージ・バーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」を原作とした超大ヒットミュージカル。
イギリスの階級社会における貧富の差を描き、風刺も込められた作品。貧しい下町の花売り娘を貴婦人へ育てられるかどうかが賭けの対象になる。
上流社会とは言葉遣いはもちろんのこと発音も異なるようで、何度も矯正させられ、その様は大袈裟に言えば「時計仕掛けのオレンジ」におけるルドヴィコ療法を彷彿とさせる(あそこまでひどくないが)。
珍しく下品なオードリーがみられるのが貴重なのと、変身中の過程や変身後にはやはり別格の存在なのだと改めて認識させられる不世出の逸材。
妖精という形容がまさに当てはまり、もはや人類を超越しているように感じる異次元さ。
尚、印象的だったのは、本作で描かれた競馬場のレースだ。
近代競馬発祥の地、イギリスでは競馬は元々上流階級のための娯楽であったこともあり、王室主催のレースではドレスコードもあり、そういった人々の社交場として非常に上品に描かれているが、オードリーが乱入することで下品さが際立っている対比表現が際立っている。
アカデミー作品賞・監督賞他。