RIO

遠い声、静かな暮しのRIOのレビュー・感想・評価

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)
3.9
宝石のような始まりは眩くて
だんだん色が褪せていく

渡れないぐらいの対岸を目掛けて溺れながら泳いでいる

すぐに怒る父親がXmasの夜 仕度が遅いことに対してなのかテーブルクロスをワナワナ掴んでめちゃくちゃにした 床に落ちていったノエルケーキが美味しそうだったのが残念

讃美歌のような世界観で仕上げられてる
心に残る痛々しい思い出は変わらないけど 光の中へ 暗闇の中へ吸い込まれてしまう

トニーが大泣きしていたのは愛を感じた
一生の間に何度も目にした扉
耳に残る階段を駆け降りてくる靴音
また明日ね
という家族の言葉が響いてる

テレンス・デイヴィスは「エミリ・ディキンスン」でも父親との確執の表現が結構辛辣だった
足場から落ちた衝撃の撮り方や時間が経った思い出がそうであるように
闇に浮かび上がる家族の姿は肖像画のような美しさです

みんなでずっとずっと歌いまくってた
拙い言葉では思いは伝わらない
歌で良いんだと思った

エンドロールも泣けてきました
「O Waly, Waly」16世紀頃から伝えられているスコットランド民謡
…… 優しく包まれた
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