半兵衛

ルビイの半兵衛のレビュー・感想・評価

ルビイ(1952年製作の映画)
3.1
閉塞した田舎町の暮らしや封鎖的な町の人や家族への苛立ちを性にぶつけるルビイの荒々しい魅力は輝いていたけれど、「女は淫獣」という聖書の教えに忠実すぎて70年たって過激な作品に触れあってしまった現代人には物足りないのも事実。

手入れされた猟銃、車、厭らしい目で見つめるルビイの兄貴や男たちの視線…と性的なメタファーがこれでもかと画面に出て来て思わずゲップが出そうになるほど。ラストの舞台が沼地というのも意味ありげ。

ラストのオチは時代の限界を感じさせた、そう考えると9年というブランクはあったとはいえ本能のままに突き進む女性像とその鮮烈な結末を『妻は告白する』て提示した増村保造監督は凄い作家だったのだなと再確認。
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