クリント・イーストウッド作品の中では一番好きで、何度見ても心が揺さぶられる素晴らしい作品。なので最高スコア。
頑固だけど人間味があって親しみを感じるお爺ちゃんにスイッチが入り鬼に豹変するところで何回観ても固唾を飲んでしまいます。
抑えきれない怒りが暴走する。ランプの明かりで暗闇から露わになったマニーの顔。恐怖で震え上がる屈強な男たち。そこにいるのは先ほどまでいた老いぼれではなく、人づてに耳にしたヤツだ。世間を震え上がらせている不死身の殺し屋マニー。「本当にいたんだ……」感がバンバンに場末のバーを満たします。過激な描写はないですが、圧倒的な暴力が画面を支配させている演出が凄い。
強盗や殺人を繰り返してきた伝説のアウトローのマニーを演じるのがC. イーストウッド。いまは改心して慎ましい生活を営んでいますが、畜産がうまくいかず生活のために持ちかけれた賞金稼ぎの話に乗っかってしまう。しかし凄腕ガンマンも昔の話。銃も的に当てられず、馬も満足に乗りこなせられない様子が可笑しい。って感じな男の物語。
馬に乗った３人のカウボーイが茜色に光り輝く草の海原を横切るシーンだけをとってみても、胸がいっぱいになります。西部劇の中でも一番好き。
