中谷美紀&池脇千鶴の怖さが、ただただ凄まじいほど伝わってくる作品。中谷美紀演じる瑠璃子と大森南朋演じる聡の夫婦の、2人にまつわるドロドロとした関係が描かれている。私にはまだ早かった...とはいえ、本作では多くの名言があり、多くは話さない瑠璃子だからこそ彼女が話す内容に耳を傾けたくなるのだと思った。
「夫婦には赤い情熱と、白い真実があればそれだけでいいんですって。」と人形のように綺麗な瑠璃子は語り、作中にはたくさんの赤と白が画面に飛び込んでくる。あざといほどの演出は、どう観ていたって気づけるほど笑
2体のテディベアを繋ぐリボンを外していたり、犬に毎日あげていた牛乳を思いっきりこぼしながら一気飲みしていたりと何を考えているのか分からない怖さが常にあった。
演出の良さに感心し、そのどれもが彼女たちの想いを反映しているようで考えさせられる場面が多かったと思う。気持ちが分からないこそ考えようとするけれど、それに聡は疲れたのだと思った。
淡々と毎日を送っているようでも、必ず何かを考えていて、それが垣間見える瞬間がとにかく怖かった。
安藤サクラはちょっとした役だったが、笑っている時の優しい声からの違いがすごく伝わってきてまさに適役だったと思う。
