ミネソタの農場の娘カトリン(ロレッタ・ヤング)は看護師になるために町に出るが、騙されて有り金を失ってしまう。そこで下院議員グレン・モーレイ(ジョゼフ・コットン)邸で働き始め、庶民目線での政治に対する発言を買われ、議員選挙の候補者に祭りあげる。
フランク・キャプラの「スミス都へ行く」や「群衆」を彷彿とさせるハートフルコメディ。
キャプラ作品ほど政治劇としての深みはないし、ラストの爽快さも弱いけど、一番まっとうなのが田舎娘の主人公という設定がいい。
地味だけど知的なロレッタ・ヤングも、ジョゼフ・コットンも良かったけど、なんといっても大女優エセル・バリモアの貫禄と、名バイプレイヤー、チャールズ・ビックフォードのこの上なく優しい執事の存在感がこの作品の屋台骨だ。
この2人のさりげないやり取りが楽しい。
そして、選挙で相手のスキャンダルばかり書き立てるって、時代が変わっても同じこと繰り返してるなと苦笑いだし、“民衆を扇動する壮大な計画” “完全なアメリカ化” なんて恐ろしい言葉が出てきて、70年経った今も同じこと言ってるアメリカって恐ろしい。
もちろん、劇中でそれを否定はしてるんだけど、この映画、白人しか登場しないんだよなー。