Maoryu002

ミネソタの娘のMaoryu002のレビュー・感想・評価

ミネソタの娘(1947年製作の映画)
3.8

ミネソタの農場の娘カトリン(ロレッタ・ヤング)は看護師になるために町に出るが、騙されて有り金を失ってしまう。そこで下院議員グレン・モーレイ(ジョゼフ・コットン)邸で働き始め、庶民目線での政治に対する発言を買われ、議員選挙の候補者に祭りあげる。

フランク・キャプラの「スミス都へ行く」や「群衆」を彷彿とさせるハートフルコメディ。
キャプラ作品ほど政治劇としての深みはないし、ラストの爽快さも弱いけど、一番まっとうなのが田舎娘の主人公という設定がいい。

地味だけど知的なロレッタ・ヤングも、ジョゼフ・コットンも良かったけど、なんといっても大女優エセル・バリモアの貫禄と、名バイプレイヤー、チャールズ・ビックフォードのこの上なく優しい執事の存在感がこの作品の屋台骨だ。
この2人のさりげないやり取りが楽しい。

そして、選挙で相手のスキャンダルばかり書き立てるって、時代が変わっても同じこと繰り返してるなと苦笑いだし、“民衆を扇動する壮大な計画” “完全なアメリカ化” なんて恐ろしい言葉が出てきて、70年経った今も同じこと言ってるアメリカって恐ろしい。
もちろん、劇中でそれを否定はしてるんだけど、この映画、白人しか登場しないんだよなー。
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