ガブXスカイウォーカー

劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカーのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.0
今作は最終興行収入19億円を記録し、東映特撮ヒーロー映画の中で最も高いそうだ。
今作のヒットした理由は簡単。
仮面ライダー全員集合がTVの『仮面ライダーBLACK RX』(1989年)以来だからである。
しかも平成ライダー、昭和ライダー、全員出る。子供たちだけでなく、すでに仮面ライダーを卒業した大人達も懐かしさで劇場に足を運んだ。
ハッキリ言おう。今作はもう誰が監督しても当たったのだ(東映はその後何度もヒーロー大集合映画を製作したが、さすがに今作ほどのヒットはない)。
基本的に東映特撮ヒーロー映画の動員数はある程度決まっており、ゲストや企画(例えばライダー大集合、ライダーVSスーパー戦隊、暴れん坊将軍出演など)によって、子供、マニア以外の客層を呼びこむことで変動するのである。

ところで、今作は歴代ライダーたちに対する愛情はさして感じられず、戦闘員扱いのライダーもけっこういる。金田治監督は若いころからスタントマン、アクション監督として東映ヒーロー物に参加してきたので逆にヒーローたちへの愛着は薄いのかもしれない(インタビューによると、仮面ライダーたちの名前さえろくにわかっていないそうだ)。
きっと歴代ライダーに思い入れの強い人は今作を観たらガッカリすることだろう。マニアックさという点では幼いころより特撮ヒーロー作品を観て育った坂本浩一、柴﨑貴行らの監督作品の方が観る点は多い。