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チャンプのmichiのレビュー・感想・評価

チャンプ(1931年製作の映画)
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後味悪いです。急展開で全く泣けません。まぁフラグは立っていたけど。苦手なタイプの終わり方です。

酒に溺れてギャンブル三昧のボクシング元世界チャンピオンとその息子ディンクとの物語。死んだと言われていた母親が登場して、ディンクを引き取りたいと言ってきます。(ディンクは「お母さんは僕が生まれる前に死んだと聞いた」と主張しますが、どういうことだ??)チャンプと暮らしたい息子と、良い環境に連れていきたい母親、葛藤する父親、そんな人たちのお話でした。

父親を「チャンプ」と慕い、たとえダメ親でもチャンプとの生活に幸せを感じているディンクは健気でかわいらしい。でも、はじめボクシングの話かと思っていたら、親子の絆と親権争いの話だったと見せかけて、最後はやっぱりボクシング?結末がいい気分ではないし、そんなにおもしろくなかった。

90分もない短い映画なのに、何も起こらないシーンに丁寧に時間を割く不思議な作りでした。酔っ払いの着替えを手伝うところとか、チャンプのモーニングルーティンとか、ディンクが屋根に登ったりして一人遊びしているところとか、なんとなく見ちゃうけど特に中身のない時間が長かったです。

主演のウォーレス・ビアリーという方は大スターだったんですね。30年代前半に一番稼いだ俳優だったとか。初めて知りました。主演男優賞を受賞していますが、ディンクの演技の方が印象に残ります。
ディンクの親友の黒人の男の子が出てきて、いつも一緒に遊んでいますが、彼らの友情が素晴らしい。pre-codeだとこんな描き方に寛容な時代だったのかと少しびっくり。
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