ぽんぽこ

ブルークリスマスのぽんぽこのレビュー・感想・評価

ブルークリスマス(1978年製作の映画)
4.0
『ブルークリスマス』1978年、脚本、倉本聰  監督、岡本喜八。
岡本喜八監督の映画は初です。
ずっと楽しみにしていました。
古い映画なので、半ば諦めていました。


仲代達矢の物語と勝野洋、竹下景子の物語が同時に進んでいきます。
前半にUFOの実在を説いてバッシングを受けていた科学者が謎の失踪をし、自宅も不審な火事。その追跡を追う報道記者の南(仲代達矢)。

〝血の色が赤じゃなく、青い人間がいる〟

知り合いの記者の恋人が青い血という相談を受け、笑っていたのですが、その彼女は女優で大河ドラマ出演も決まっていたのだが、麻薬パーティーで捕まり、その後自殺したという、、、


ある時期からUFOを見た人間はその時に放射される熱線を浴びると一瞬のうちに血の色が変わるようです。
で、変わったらどうなるかというと、外見も内面も変わらない。むしろ、猜疑心や虚栄心が無くなり、穏やかな人間になるようだ。
じゃあ、いい事づくめじゃない。

今はな。ある日突然変異して人類の敵になるかもしれない。


一方、特殊部隊員の沖(勝野洋)は理髪店の冴子(竹下景子)に恋心を抱きます。
冴子の兄(田中邦衛)の手助けもあり、付き合う事になります。
竹下景子が、めちゃくちゃ綺麗かわいいです。全盛期の美しさで無敵。

同僚の原田(沖雅也)は戦闘機でUFOを追い謎の行方不明になり死んだと思われています。
沖雅也、水も滴るいい男でした。       鼻が高い。
死んだと思われていた原田を見かけた矢先に原田から電話が、、、


沖と冴子が結ばれた日に、冴子が青い血の人間と分かり動揺します。
冴子も打ち明け、それでも結婚しようと言ってくれる沖。
クリスマスイブの夜に来てくれると約束したので、嬉しそうに準備をする冴子。
しかし沖は特殊班の命令で青い血の人間を処分することに。
ターゲットは冴子。


そして、沖を出迎える冴子を射殺すると青い血が流れ、息も絶え絶えな冴子。
沖は特殊部隊に銃口を向けたが蜂の巣にされるのです。
ラスト、冴子の青い血が流れて沖の赤い血と混じり合い終わります。


UFOは全然出てこないんだけど、自分達と違う人間は排除しようという長い物に巻かれろな考え方が、世の中に蔓延ってるのを倉本聰は、描きたかったのかなあ。
今でもなくなってなんかいないし、先見の明がある倉本聰。
上の言う事が絶対、内心おかしいと思っていても、とりあえず従う。
大多数の意見に従ってる方が安全みたいな。
異論を唱える奴は抹殺する、排除する。
それを危惧してたんかな。
今、リメイクして映画化して欲しいです。
観てみたい。
面白いとかじゃなくて、色々考えさせられる映画と思いました。


前半部分は長くて、しんどかったですが後半部分のラストは衝撃的でした。
仲代達矢が、ひっきりなしにタバコを吸っていて、時代を感じました。
この時代、電話が大事な小道具。
クリスマスが懐かしい、私が子供の頃のザ・日本人が作り出したクリスマス感満載でした。
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