半変人のお調子者

ビッグ・フィッシュの半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.3
小さい頃から俄かには信じがたい思い出話ばかりする父エドワードに辟易とする息子ウィル。
ある日、ウィルはエドワードが余命幾許もない事を知る。
妻と共に実家を訪ねたウィルは、エドワードから本当の人生の思い出を聞き出そうとするのだが…

エドワードの話は観ているこちらも、いやいやそんな訳無いでしょ。と思うような話ばかりなんだけど、じゃあ自分は過去に起きた事を正確に話せるのかと、逆に自分に問うと、そうではない事に気付く。人間の記憶なんてそこまで定かな物じゃなくて、大抵の人が話す思い出なんてものは断片的でつまらないか、尾鰭がついて大袈裟になるかのどちらかなのである。

それでも人は自分の思い出を語りたがる。それは思い出を語る事で、それすらも人生の一片として思い出となるからだ。
エドワードはその方が面白いからと、平然と尾鰭つきまくりの思い出話を連発する。人々は真偽も定かではないその話を熱心に聞く。そこには真偽を乗り越えた面白さがあるから。そしてエドワードは皆の記憶に残り、彼自身が思い出として、皆の中でいつまでも生き続ける。

なんて素晴らしく、幸せな生き方なんだろう。

そんな父の生き方に反発していたウィルが、遂にその生き方を理解し、父の最期に相応しい思い出話を作る展開には涙が止まらなかった。

そしてその後のサプライズ。
もしかして…?とも思うけど、でもまさか全部が本当ではないよね笑

映画評価基準

この映画が好きか 8
没入感 8
脚本 8
演出 9
映像 10
キャスト 10
音楽 8
余韻 9
おすすめ度 8
何度も観たくなるか 8

計86点