垂直落下式サミング

ジュラシック・パーク IIIの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
3.5
恐竜島の近辺で消息を絶った少年を救うため、古生物学者グラント博士が、不本意ながらもふたたび島に降り立ち捜索に駆り出される。ジュラシックパーク3作目。
大金を積まれて、恐竜島に引っ張りだされてしまうグラント博士。むかつくお金持ち夫婦を演じているのは、ファーゴのおじさんとティア・レオーニ。人をイラッとさせる演技をさせたらピカイチの名優。ほんとムカつく。食われればいいのに…。
行方不明になってしまう息子エリックは、みんなを危険にさらすクソバカ夫婦のあいだに生まれたとは思えないほど利発な少年で、冒険の足手まといになるどころか大人たちを先導してくれるサバイバー。
歴代子役のなかでもいちばん優秀。まったくストレスが少ないかのようにみえるが、そもそも事故の発端はコイツが写真撮りたいとか言い出したからだから、やっぱり血は争えない。
今回のフューチャーされるプテラノドンは、人を食う生き物として絶妙なサイズと形状なのがいい。大型肉食獣のような圧倒的な頂点捕食者ほどの巨大さではなく、相対したときに切実なでかさが伝わるくらいの大きさで、群れで行動しているのもエグみがある。獲物を捕獲するための鋭いかぎづめも恐怖だけれど、歯のないくちばしで噛み砕かれ続けて一思いに死ねないっぽいのも怖くていい。
ただ、スピノサウルスが好きじゃない。ティラノサウルスよりもカラダの大きな恐竜ってことで、今回のメインを張ってんだけど、さすがにオメーはセンターの器じゃあねえんだわ。
スピノは、ウンコするのがよくない。恐竜ってアイドルなのよね。昨日なに食べたって聞かれてものらりくらりしててほしいのに、排泄物から着メロが鳴ってなに食ったかわかるとか、やだやだスピきゅん意識が低い。
でも、ティラノとの肉食獣対決でスピノ勝っちゃうじゃん…。あの負けたやつ、ほんとティラノサウルスの面汚しだよな。マジで。あれに関しては、僕はあの個体がまだ若かった説を推してますけど。レクシィやドゥだったら勝てたと思う。
そんなわけで、好きになれないスピノちゃん。ゾイド世代にとっては、ダサい恐竜モチーフの代名詞みたいな認識なんだけど、世間的にはどうなのかしら?スピノサパーはゼンマイ巻いても足が空回りするだけで前に進まねえし、ダークスパイナーにいたってはカニと合体するとかいう色モノだし。乗っただけ合体は、子供心に「ないな」って思ってた。
ワンピースのワノ国編でもスピノサウルスに変身する能力者が出てきたんだけど、アイツも微妙だったなぁ~。連載の途中で、より正確な復元図が出てしまったことで獣型のフォルムが変わってしまい、メインで出しづらくなって、麦わらの一味の誰かと一騎討ちするとかもなく、特に活躍もないままビッグ・マムにぶん殴られて退場するとかいう不遇な扱い…。
最新復元図をみるに、めちゃめちゃナーフされてて、やっぱりティラノサウルスとやりあえるような恐竜じゃなさそう。今となってはムチャな勝負でしたね。